W杯躍進へJの力を」 元日本代表・秋田豊

阿久津篤史】セーリング男子470級で、世界トップの豪州ペアに弟子入りし、2016年リオデジャネイロ五輪でのメダル獲得を目指す日本ペアがいる. 2月からコンビを組んでいる土居一斗、今村公彦組. 10月下旬に初めて日本での合同練習を行い、今月16日までのナショナルチーム代表選考会で優勝. 来年1月末には豪州で一緒に練習する予定だ. 日本ペアが所属するセーリングの名門アビームの支援で実現した. 同社は所属選手が北京、ロンドンの両五輪でメダルを逃し「世界レベルの練習が必要」と判断. 土居、今村組とともに練習し、ノウハウを伝えることを条件に2月、豪州ペアと今年のスポンサー契約を結んだ. セーリングでは情報漏れを警戒して異なる国が合同で練習することは少なく、異例の契約となった. この豪州ペアは8月に世界選手権を制した. この春から欧州遠征時に一緒に練習してきた. ロンドン五輪出場を逃して一度は引退しながら現役復帰した29歳の今村は「普通なら一緒に練習させてもらえない相手. スピード向上の話し合いができてためになっている」と言い、日本経済大4年の21歳・土居は「大きなチャンスをもらった. 外から見ただけでは知り得ないことを探りたい」と意欲を見せる. 一方、豪州ペアの1人で、ロンドン五輪金メダルのマシュー・ベルチャー(31)は「2人は経験が足りない. もっと頑張る必要がある」と奮起を促している. Jリーグは、各クラブが新体制をスタートさせるなど新シーズン開幕に向けた動きが本格化してきた. W杯ブラジル大会は5カ月後. 1998、02年と現役時代に2度のW杯を経験し、J1時代の京都などで監督を務めた秋田豊さん(43)は、日本代表が勝ち進むには、Jリーグの選手たちの働きが欠かせないと強調する. ――日本代表は、昨年11月の欧州遠征でオランダ、ベルギー相手に1勝1分けと好結果を残しました. 「遠藤(ガ大阪)や長谷部(ニュルンベルク)の動きも良かったが、MF山口(セ大阪)やFW大迫(1860ミュンヘン)ら新しいメンバーの活躍が大きい. チームはほぼ3年間主力を固定してきたが、競争は活性化に欠かせない.