ねら砂時砂時計』宇宙

原作は未読、昼ドラ化されていたのも見ておらず、いきものがかりの「帰りたくなったよ」が凄く印象的な予告編だけを信じて見てきましたが、正直こんな薄っぺらい映画は久しぶりでした. 本当にあの予告編を作った人は天才です. 映画を見たらものの見事にダマされたって感じで夏帆ちゃん目当て以外では本当に何の印象も残らない、まさしく邦画冬の時代の再来を予感させるような駄作でした. 島根県を舞台に夏帆ちゃんが出演しているとあって、どうしても 『天然コケッコー』 と見比べてしまうも、夏帆ちゃんの魅力だけに関してはさらにパワーアップといった感じで、まぁ~とにかくかわいかったです. 特に島根の高校のセーラー制服姿は素朴ながらも、あの制服に夏帆ちゃんのツインテールが凄くかわいくて最高でしたね. ですから転校して東京の制服に着替えて髪をおろした途端、そこらへんにいそうな普通の女子高生に成り下がったという感じがして、個人的には「早く島根へ戻れ! 」って思っちゃいましたよ. 映画の出演時間の割合に関しても夏帆ちゃんと池松壮亮クンとの学生時代が中心に描かれているので夏帆ちゃんを見るだけなら別に問題ないのですが、いかんせん映画としては各エピソードが薄っぺらいうえに他のエピソードとの繋がりも希薄. 本当は物語上重要なアイテムになるはずの父親からの手紙や友人との思い出の写真も全て唐突に出てくる印象しか残らず、この監督が何を描こうとしているのかが全く見えてきませんでした. また主人公たちの気持ちの変遷もほとんど描かれていないため、夏帆ちゃんの母親の自殺というトラウマも中途半端であれば、椎香ちゃんや藤クンが好きだった人を諦める気持ちも中途半端. 杏が大悟と別れるという理由も全く説得力なし. 祖母の「しゃんとせんといかん! 」という言葉も本来ならラストで感動できるはずなのに、人物描写が中途半端なために感動ゼロ. 風間トオル演じる父親に至っては存在感すらなしでしたね. そして何よりも主人公2人がどれだけ相手を想っているのかが全くと言っていいほど描けていないので、恋愛映画としても全くダメでした. あと秘密基地での初結合シーンは全く必要なしです. あんなシーンを入れる意味が全くないことなど素人でも分かることなのに、この監督のセンスのなさには失望すらしてしまいます. そして関西人としては夏帆ちゃんがあれほど「大悟、大悟」と連呼すると、どうしても「じゃあ、ノブはいつ出てくるねん? 」って思っちゃうのですよ. 主役なのに全く魅力のなかった松下奈緒よりもノブの登場だけをひたすら期待してしまうほど、本当に魅力のない映画でした. あといきものがかりの「帰りたくなったよ」をもっと聞きたかったです. 「早く家に帰りたくなったよ~♪」なくらいに魅力のない映画でしたから、せめて音楽だけでもと思ったのですが、それすらも叶わずでした. 深夜らじお@の映画館 はこの映画での池松壮亮クンがとても羨ましかったです.

青春モノとしては面白いが、SFモノとしては説明不足で中途半端. なので全体的にもったいないというイメージしか残らない. これまで何度も実写化もされた眉村卓先生の原作を中村亮介監督の意向で青春モノ重視で新解釈したこの作品. 映像は水彩画のようで凄くきれいですし、キャラクターも凄く可愛かっただけに、脚本や構成の弱さが逆に凄く目立ってしまった映画でした. 鎌倉のとある中学校に転校してきた京極リョウイチに一目惚れしてしまったクラス委員の春河カホリ. そのカホリに恋する関ケンジへの恋心をひた隠す幼馴染の涼浦ナツキ. この4人の男女の淡い片思いを中心に描いているだけあって、青春モノとしては羨ましいを通り超えて可愛らしい作品だと思います. 特にリョウイチがピアノを弾く姿をこっそり見ようとするカホリの乙女心、愛犬の散歩を理由に朝からサーフィンの練習をするカホリに会いに行こうとするケンジの恋心、そんなケンジへの想いから皆勤賞を続けていたナツキの頑張りなど、誰もが思春期に好きな人と会いたいがためにやってしまうその恋心は凄く理解できますし、懐かしさもある可愛らしさを凄く感じます. しかも後半になると4人で台風による雨風が吹き荒れる中、海水浴に行くんですよ. これは一見アホな行動にも見えますが、ただどんな状況であれ、思春期に気になる異性の水着姿を拝みながら仲のいい同性と4人で楽しい時間を送れるなんて、これほど青春の思い出になることなんてないでしょう. ですから正直このシーンは凄く羨ましかったです. でもだからこそ、そんな青春モノと巧く連動していないSF部分の弱さが逆に目立ってしまうんですよね. リョウイチの母親とケンジの関係はハッキリしない、そのケンジはいきなり超能力が覚醒するも一切戸惑わない、ケンジの命を繋いでいるらしいナツキとの過去も分かりにくいなど、 『時をかける少女』 に代表されるようにこの手の作品は青春モノとSFモノのバランスが大切なのに、この映画は青春モノに加担しすぎたせいでSFが疎かになった分、その説明不足による悪影響が最後の最後で恋する乙女心を軽視しているかのような形で出てきてしまっているのが残念でならないんですよね. だってケンジがリョウイチを未来へ送り返したことでカホリとナツキが好きな相手のことを忘れてしまうのはまだしも、EDロール後にケンジだけが戻ってきてナツキの恋心だけが復活するって、カホリの恋心は消えたままかい! って思いませんか? というか、本来なら相手のことを忘れても恋心だけが残っているのが映画における思春期の乙女ってモノじゃないんですか? てな訳でウェットスーツでポニテで声が花澤香菜さんの女の子って最高やわ♪、来場者特典としてもらった色紙も京極リョウイチではなく、そんなポニテが似合う春河カホリが良かったなぁと思えた映画でした. 深夜らじお@の映画館 は海パンの中にケータイを入れていた関ケンジを見て、特殊刑事課の汚野刑事を思い出してしまいました. ※お知らせとお願い ■ 【元町映画館】 に行こう. これはある意味バカ映画の超大作です. あってないような陳腐なストーリー、何のために出てきたのか分からないアカデミー俳優ティム・ロビンス. 宇宙人による地球侵略の真の目的も全く解明されないまま迎える、あの「はぁ 」と言いたくなるようなオチ. でも破壊大好きスピルバーグ監督の見事な破壊っぷりは楽しかったです. H・G・ウェルズの同名原作の再映画化としての話題が先行したこの映画ですが、そもそもスピルバーグ監督がこの映画を作ろうと決めた本当の理由は、かつての親友ジョージ・ルーカス監督との映画対決をしたいが為だったそうです. ちょうどこの映画が公開された頃は『スター・ウォーズエピソードシスの復讐』と似通った時期. スター・ウォーズサーガが終了するといつ次の映画を作るか全く予想できないルーカス監督と勝負できるのはこの時を置いて他にはない! と踏んだスピルバーグ監督が超短期間でこの映画を完成させた為、あんな駄作になったそうです. そのためか、この映画を見てワクワクしたのはオープニングの渦巻く不気味な雲のシーンだけでしたね. その後はダコタ・ファニングの雄叫びがやかましいこと. ええかげん静かにせぇや! って思いましたよ. トム・クルーズも逃げてばっかりで全然戦わないし、いったいあんたも何の為にこの映画に出演したん? でしたね. ちなみにティム・ロビンスが出演したシーンで「大阪では宇宙人を倒したらしい」という台詞がありましたよね. 何で大阪? と思われた方もいたでしょうが、これはスピルバーグ監督と大阪から連想される、あのテーマパークの暗喩的宣伝方法だったらしいです. ここらへんはちゃっかりしてますよね. ただオープニングの宇宙人襲来という理不尽な破壊活動から逃げ惑う人々のシーンは何となく阪神大震災を思い出しましたね. 私自身もあの震災を経験した一人でして、高速道路や住宅地がまるで玩具のようにいとも簡単に破壊されていく様が特に印象的でした. 我々人類が何年も掛けて作り上げたものがほんの数秒で破壊される. 大いなる力には絶対に敵わないという恐怖を心のどこかで感じましたよ. まぁこれだけ地下鉄が走っている時代に、あんな大きい宇宙船が数多く地下に隠れていたというのはおかしすぎる! というツッコミさえも忘れてしまうほどのバカらしさを十分楽しめる映画でした. でも今夏公開の『トランスフォーマー』の予告編を見ていると、なぜかこの『宇宙戦争』と同じ匂いを感じてしまうのですよね. あぁ心配だぁ!! 深夜らじお@の映画館 はバカ映画にも愛を持って見ています.