穀物が高騰、食卓にも影響か 米国の干ばつ

野田佳彦首相は4日の内閣改造で、田中直紀防衛相の後任に、森本敏拓殖大大学院教授(安全保障論)を起用することを決めた. 防衛省によると、防衛担当閣僚を民間人から起用するのは前身の防衛庁時代も含めて初めて. 森本氏は71歳. 防衛大学校理工学部電気工学科を卒業後、防衛庁防衛局を経て1979年に外務省に入省. 在米日本大使館や外務省情報調査局安全保障政策室などを経て、2000年に拓殖大教授に就任. 09年に防衛相補佐官に起用されたこともある. 衆院予算委員会は27日、消費増税社会保障の一体改革をテーマに、有識者を招いて参考人質疑をした. 最低保障年金の創設など、民主党政権が掲げる社会保障改革へ注文が相次いだ. 与党が推薦した慶応大の駒村康平教授は、最低保障年金について「(自公両党の求める)現行制度改善をしていけば、接近していくのでは」と述べ、与野党で制度のあり方を検討するよう促した. そのうえで、政権に「移行期間や給付対象をきちんと検討しなければいけない」と求めた. また、中央大の森信茂樹教授は「欧州では、公的年金に財政資金をつぎ込むときりがないとして、私的年金整備のため税制を優遇している」と指摘した. 野党推薦の参考人では、西沢和彦・日本総研主任研究員が「消費増税は財政危機対応と言った方がふさわしいのに、一体改革と言って増税のアメに社会保障を使っている」と、政権の説明方法を批判. 厚生労働省有識者会議委員を務める細野真宏氏は「来年に(最低保障年金を創設する)法案を出すと言うが、6月ごろまでに具体案を」と訴えた. 米国の干ばつなどの影響で、穀物の国際価格が急上昇している. 国際的な指標である米シカゴ商品取引所のトウモロコシの先物価格は、史上初めて1ブッシェル(約25キロ)あたり8ドルを突破. 大豆も3日続けて最高値を更新した. 穀物価格の上昇で家畜のエサなども値上がりし、食卓にも影響が出てきそうだ. トウモロコシの先物価格(9月物)は20日、1ブッシェルあたり8.2875ドルまで上がり、前日につけた過去最高値をぬりかえた. 大豆も一時、1ブッシェルあたり17.7775ドルに値上がりした. 小麦も高値圏で取引が続いている. 6月1日時点と比べると、トウモロコシと小麦の価格は5割、大豆は3割それぞれ上昇している. 原因は、米中西部の穀倉地帯で、記録的な暑さと少雨により「56年ぶり」(米メディア)といわれる深刻な干ばつ被害が広がっていることだ. 米国は世界最大の穀物輸出国. 「秋の収穫量が大きく減るのではないか」との見方から、価格が上昇. 世界的な金融緩和であふれかえったお金が、欧州危機で行き場を失い、穀物市場に流れ込んでいることもある. 阿蘇山の中岳、2年7カ月ぶり小噴火: 朝