皇太子さま、南アフリカへ出発 マンデラ氏

皇太子さまは9日夕、南アフリカ共和国の故ネルソン・マンデラ元大統領の追悼式に参列するため、政府専用機羽田空港を出発した. 10日にヨハネスブルク市内で開かれる式典に出席し、11日夜に帰国する. 外国の王室関係者以外の葬儀や追悼式に、日本の皇族が参列するのは初めて. 宮内庁によると、天皇、皇后両陛下は「マンデラ氏は民族間の対立解消に努め、平和裏に新しい民主的な礎を築いた人物」と語り、内閣の要請があった場合は皇太子さまの参列の話を進めるよう希望したという. 同庁の山本信一郎次長は9日の会見で、マンデラ氏が困難の末にアパルトヘイト政策を平和的に解決した功績を評価し、「マンデラ氏が体現する普遍的な価値に、日本としても敬意と共感を表明する観点から、皇太子殿下に出席いただくのがふさわしい」と説明した. マンデラ氏はこれまでに3回来日. 1995年に国賓として来日した際には、宮中晩餐(ばんさん)会などで皇太子さまとも同席しているという. 国が今秋の本体着工をめざす八ツ場(やんば)ダムの水没予定地、群馬県長野原町川原湯温泉大寒20日、伝統の「湯かけ祭り」があった. 温泉の恵みに感謝し、ふんどし姿の男たちが湯をかけ合う奇祭. 400年余りの歴史があるが、ダム建設で温泉街自体が移転を迫られ、現在地では最後となる. 午前5時半すぎ、山あいにある共同浴場「王湯」の気温は零下8度. 総大将の合図で、紅白に分かれた約60人が一斉に「お祝いだ」と叫び、源泉からくんだ湯を何度もかけ合い、湯気と熱気に包まれた. かけ声は一度途絶えた温泉が再び湧き出し、「お湯湧いた」と喜び合った故事にちなむ. ダム計画浮上から今年で62年. 最盛期に22軒あった旅館もここで営業を続けるのは3軒に. ただ、高台の移転代替地の新しい温泉街で3軒が営業を始め、数軒が準備中. 湯かけ祭りも代替地に今春完成する共同浴場で続けられる. 川原湯温泉観光協会長の樋田省三さん(49)は「温泉の恵みに感謝という祭りの趣旨は変わらない. 地域のみんなで新しい開催方法を話し合っていく」と話した. (小林誠一).