ソニーの平井社長「電機を重視」 就任後、

ロンドン五輪第10日の5日、陸上男子ハンマー投げ決勝があり、室伏広治(ミズノ)は78メートル71で銅メダルを獲得した. 優勝したアテネ大会以来、2大会ぶりのメダル. 優勝は80メートル59のパルシュ(ハンガリー)だった. ロンドンに集った1万人のアスリートの「顔」は、緑と黒と黄の3色で彩られたジャマイカ国旗を軽々と振った. 「興奮する. 幸せだ」 人類最速の男、ウサイン・ボルト(25)は、わき上がる観客席を時々おどけるように指さし、楽しそうに周回した. ソニー平井一夫社長兼最高経営責任者(CEO)が5日、1日の就任後初めて記者会見した. 「エレクトロニクス(電機)事業とその技術開発を重視してソニーを率いる」と述べ、テレビやデジカメなど「本業」に軸足を置いた経営を目指す考えを示した. 平井社長は、ソニーがテレビ局用の機器開発を世界初の家庭用VTR(録画機)発売につなげた例を挙げ、「業務用の最先端の技術を消費者向けに製品化する. これこそソニーの勝ちの方程式だ」と強調. 業務用と消費者向けの垣根をなくして技術と製品を開発することが、ソニーグループを再生させるための重要な手法と位置づけた. 平井社長は音楽、ゲーム部門の経験が長く、電機部門の経験がないまま本社の役員に就いた. ソニーは2012年3月期の連結決算で2200億円の純損失を見込む. 業績回復には赤字のテレビ事業立て直しが不可欠で、「不得手」とみられがちな電機部門を重んじる姿勢をアピールした.